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【ネタバレ注意】週刊少年ジャンプを中心に、ふれた作品の感想をたくわえるブログ。

WHITE ALBUM2 雪が紡ぐ旋律

月島雅也(監修:丸戸史明)、2013-2014年、ソフトバンククリエイティブ
おまけコーナーが予想外の収穫でした。
kindle版は巻頭イラストが見開き表示されないのでオススメできないかも。

原作の感想はこちら→ WHITE ALBUM2 -introductory chapter- - 感想SPACE

1~Introductory Chapter1~

原作そのままのノベライズだと思って買ったが少し違うようだ。 それはそれで嬉しい。

小説だと「お隣さん」が謎の人物Xのまま進むのが良い。ビジュアルでネタバレされたり読者が察したりしにくい。
雪菜との最初のカラオケも暗転がない分、文章でのミスリードが長くなっていて面白い。

雪菜のアルバイト発覚の件も自然に改変されてるなー。 改めてカラオケのシーンまで読むと、間違いなく小木曽雪菜がメインヒロインですわ。
かずさの方はちょっとツンツンしているだけに見える。 初めてアニメを見たとき、かずさに対して「春希を悪くは思ってない」「これから春希を好きになるのかも」程度に思ってたんだよ。それを雪菜にからかわれてるのかと。まさか表面以外全部デレとはな〜〜。
雪菜が2人の上を行っているように見える。懐かしい感覚で逆に新鮮。
こんなにかずさから言葉で直接否定されていると、そりゃあ振り向いてくれるとは思えないよ。 一方で雪菜が直接好意を伝えてくるんだから。

雪菜のトラベルセット(ここではカミソリ)発見シーンが長めに描かれてて良いですねえ〜。
聞こえてきた電話の声から自然に春希視点に移るのは上手いな。 ボンゴレ雑炊じゃない!

雪菜の孤独感が際立つ。それはつまり、かずさに先んじたい理由が補強されるということでもある。

学園祭ライブ前に小春が登場した!? まだ中3の杉浦小春。えっ、孝宏と小春って中学から同じだったんだ。 高3ではじめましてだと思ってた。
挿絵の事案度が高くて笑った。 ここまでもかずさや雪菜の挿絵はあったけど、この絵は「あまりにもアレだったので春希の体を足しました」感がある。

そういえば全ては春希の思い出作りのために始まった物語だった。 この雪菜は『届かない恋』の詞を見て不安がったりはしていないのかな。雪菜視点でもご機嫌っぽい。

幕が上がって終わりか。 告白シーンで引くのかなと予想していたけど、最高潮に上り詰める直前のここで引くのもありか。

出来事が変わったりしているが、あまりキャラのブレを感じないから、あったかもしれない別のルートに感じられる。 夢想みたいな。
口絵の着替えイラストを見て、そういう新規の日常シーンがあるのかと思ったけどそんなことはなかった。

2~Introductory Chapter2~

確かに、ライブから始まる方が2巻を読み始めてすぐにワクワクできるかも。
春希のギターソロを巡って視点が移り変わっていくの良いな。 朋視点まであるんだ?!これは他のキャラも期待していいのかな?

ライブ後の音楽室。全部明かしていく。雪菜と依緒の会話もかずさの気持ちも、雪菜が目撃したことも。
かずさの過去も第五章すぐに。 かずさにとって特別扱いしてこないのが春希。 「ギター君」への好意が先。 ほとんどそれだけだった。

雪菜の痛みもかずさの痛みも主観で語られる。グサグサくる。 全てを明かされて読む初見の人はどう感じるんだろう。どういうストーリーだと想像するんだろう。明かされたら明かされたですごく複雑な関係に見える。
そうか、春希の本当の気持ちも独白で分かるんだ。一目惚れだとも。 クラス委員に立候補したのまで下心ありきだったんだっけ。 「思い出作り」すら、かずさきっかけだったんだっけ。いや、かずさを振り向かせるために作詞したという感じではなかったような気がするが、記憶違いかな。
難しいよなー。最終的には両想いだったとは言え、かずさがギター君の正体を知る前に春希が告白していたらあっけなく振られていただろうし。
3人とも苦しんでるのがよく分かる。

コンクールに麻理さん!?麻理さんがicで登場するチャンスは無いと思ってたぜ。なんと開桜社主催。そういえば、曜子さんがコネはあるって話をしていたな。
あ〜、かずさが「負けてほっとしてる」のって、これでウィーン行きは無くなったと思ってるからか。今までは単に「親の七光りだけで優勝できるような世界じゃなくてよかった」とか考えて安心してるんだと思ってた。

かずさの暴露シーンのセリフがけっこう追加されたり変更されたりしてる。春希のセリフも。
春希の白々しい言葉を、嘘だと知っている読者の自分が、そうとは知らない雪菜の視点で見ると、今までで一番「何言ってんだこいつ」と感じた。 春希視点で見ているとそれほど感じないんだけど、視点が変わっただけでこうも印象が変わるのか。

卒業式の日の手紙についてかずさから語られるのは初めてかな?

そういや親志が登場してねえ!「冬馬に告白しよっかな〜」がなくてようやく気づいた。

電話越しのサイレンの音でかずさの居場所に気付く件を小説で表現するのは少し難しそうだなと思ったが、この改変は見事だな。ベランダの方を詳しく取り上げることで自然な流れになった。
なるほどな〜、家に入ってからを描写できない分キスシーンを厚くするのか。

空港でのシーンも3者の視点で描かれていて満足です。
「雪は、覆い隠してくれる。」から始まる一節はもはや定型文だと思っていたのでアレンジが加わったのは意外。
「届かない恋です」ではなく記念写真の撮影で終わったのも意外だった。

この物語を何周も見ていると「あのとき春希がああ言っておけば……」という気持ちになる。 そうはならなかったんだよ。

「雪菜姫の受難と大臣の悪巧み」
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知ってる短編だった。 あっ、でも挿絵は新鮮。

(解説) 丸戸さんの解説まであるんだ!?しかも初代の話から始めてくれる。 『ToHeart』も気になってくるなあ。 丸戸さん、生粋のファンじゃん。10周って。『WHITE ALBUM』の原作もやってみたいんだけどもうリメイク版しか無理っぽいんだよなぁ。
WHITE ALBUM2』は計算尽くで作った作品なんだ。 丸戸さんの個人的な要請のおかげで期待以上にノベライズを楽しめている。ありがとう。

詩のようなあとがきは初めて見た。

3~Closing Chapter1~

かずさが大きく映っているのは表紙詐欺では(笑) まさかのかずさスタート!? 「彼」と対話している。

ゲームで細かく回想を挟まれると落ち着かないが、小説だと一瞬のフラッシュバックが効果的に感じる。2、3行挟まれただけで頭の片隅に声や姿が浮かんでくる。

千晶を見てはかずさを思い出し、小春を見ては雪菜を思い出し、麻理さんを見てまたかずさを思い出す。

Intermissionはこれ千晶か??えっ、千晶ルートやるの?? 音声なしで発言者を伏せられるからこそ、この会話を見せられるのか。
あ〜〜、この流れだとIntermission2はかずさっぽくも見えるな。3年で変わってしまって、「男のトコに入り浸」る「恋する乙女」のかずさに。冒頭でかずさ視点をやってるから、それほど騙す気もないミスリードなんだろうけど、ほんの少しだけそういう可能性を考えてしまう。

原作プレイ中のこの時点だと、千晶の「役目」は不用意に春希の過去を刺激したり女を思い出させたりすることくらいに思ってた気がする。
千晶が勝手に電話に出た時の雪菜つらい……こんなの“春希の女”確定だもんな。原作だと千晶視点だったから、「千晶もかわいいとこあるじゃん」とかのんきに思ってました。
ああそっか、雪菜が合コンへの参加を決めたのも電話の件があったからか。つながりが分かっていなかった。なんとなく「色々と積み重なって限界が来たんだろう。気まぐれに振れたんだろう」くらいに思ってたが、しっかりクリティカルな出来事があったんだ。
過去の自分は、電話口で雪菜が「間違えるはずない」と強く口にしたのを聞いて、彼女が春希を信じ続けられていると判断していた。 そんなことはなかった。

突然の「another point of view」。 小春さん視点からの麻理さん視点ということでは駄目だったんだろうか。見たかった。
Intermissionは別に千晶専用というわけではないんだ。 3人だけの思い出を世間に晒す行為はやっぱり心が痛む。

クリスマスイブの春希の歩み寄り方は学園祭ライブ後と全く同じだったんだな。 一番好きな人とは結ばれることはないから、身近にいる2番目に好きな人を大事にしよう、っていう。 3年前の雪菜はむしろそれを狙って成功させたけど、今の雪菜は春希がそうしようとしていることを理解した上で最終的には受け入れられなかった。

アンサンブルの記事ってこんなに「春希のラブレター」だったっけ。 嫌味3の応援7くらいじゃないか。その嫌味もじゃれ合いのそれだし。 「悪口を並べたゴシップ」にはほど遠い。
うっ、真っ暗な中の雪菜の泣き顔が心に刺さる。こういうのは原作には無い。

自分に嘘をつく。雪菜のために。 3年前雪菜を選んだときは本当に打算的な判断だったから、「雪菜のために」嘘をつくという部分は春希が成長したのだと言えるのだろうか。

終わりに再びのかずさ。Intermissionまであるの不穏なんだがー。 「タイトルは届かない恋です!」をもう一回やって締めるの天才。

(質問コーナー) 質問者が誰派か明記されるの草。
へぇ〜、かずさ派が6割なんだ。残りの4割が雪菜派なら良い勝負と言えるが、他のヒロインも含むのだとしたらやはりかずさ派が多数なのかな。
春希の気持ちはめちゃくちゃ分かるので、声優さんたちの「春希はないわ〜」には同じくムキになれる。
おっ、雪菜の介入なしルートまで聞いてある。 原作者的には春希とかずさが平和にくっつく可能性はないのかー。
前巻の解説から通して、丸戸さんがドSだということは分かった。 ついでに、リア充なタイプではなさそうなことも。

この巻が発売されたのがちょうどアニメの放映時期。

4~Closing Chapter2~

晦日に2人がすれ違うイラストもなかなか詐欺だな(笑)
バレンタインコンサートの雪菜ってこんなにノリノリだったの!? アコースティックライブと聞いていたから、2人でしっとりとパフォーマンスしてる姿を想像していた。『届かない恋 Valentine Live』も落ち着いた感じだし。

春希が「俺の過去を知らない人としか……」と考えを巡らすという意味では、今巻の方が3人を表紙にするのにふさわしいのかもしれない。彼女たちと出会った前巻よりも。
千晶には行かなかった!雪菜ルートのはずなのに緊張感がある。

朋がまず最初に雪菜をカラオケに連れてきたのは、嫌がらせのためじゃなく歌が聞きたかったからか。歌ってよ、聞かせてよと。
ついに二度目の朋視点。長瀬昌子の件が流されないのヒヤヒヤするな。
わーお、本気で千晶の正体まで明らかにするつもりだ。
朋も3人の真の関係性に気付いていたのか。名探偵・柳原朋。

うん、少なくとも春希は千晶に傷つけられていない。読者は傷ついたかもしれないが、それほど傷は深くないだろう。 千晶を好きになるようなシーンは減っているし、はじめからIntermissionがあったから。 こうして見ると、千晶ルートのあれこれを経ない限りはそこまで嫌う必要もない気がしてきた。やっぱR18だからこそだぜ、あれは。

体育館のステージに座る2人のイラストがあるけど、2人とも来校者用のスリッパなんか履いてたんだ。もっと勢いで忍び込んだ感じかと思ってた。

春希が「世界で一番好きなのは、俺の前で楽しそうに歌う雪菜」だと言うが、これは本心なのか口説き文句なのか(原作プレイ中から)イマイチ分かってない。
雪菜ルートだし、雪菜が一番だというのは(かずさ派としても)嘘とは言い切れない。しかし、その前段の「二番目」まで信じるならかずさは世界で三番目だということになるが、それは嘘だろと思う。だから、全体として信じられなくなっちゃう。
雪菜の方もどういう気持ちで感動してるんだろう。言葉通りに受け取って?それとも大げさだと分かってて?

そういや結局、本編での小春や麻理さん視点はなかったな。残念。

鈴木さんが春希の上司になってる!? ここまで読んできて一番のサプライズかもしれない。

「台風一過の小春日和」
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これは小春ルートだという事前知識がいるのでは?そうだ、小春は峰城大生ですらないんだ。
この短編は身内アンケートの結果だったのか!

5~coda前編~

ストラスブールの大きなクリスマスツリーって駅前にあるのか。タクシーに乗って移動していたから、駅からそれなりに離れた場所にあるんだろうと思ってた。

おっと、これはかずさルートか?選択肢の選び方で察するという2周目ノベライズならではの感覚。行くのか?!?!
かずさとの別れ際の「そのことに少しでも喜びかけた自分を、殺してやりたかった。」は良いオリジナル(たぶん)だと思う。春希らしい。「喜びかけた」が本当に未遂で終わったのか怪しいところも、喜んだ自分を責めているのも、「殺してやりたい」という言葉のチョイスも。 心の底からそう思っているわけではなく、そういう強い言葉を使うしかない、使わないといけないと考えているんだろう。

成長した鈴木さんが頼もしいな。思えば、能力的な面で周りに落ちこぼれ扱いされてたのは松岡だけだったか。 麻理さんが突出していただけで、鈴木さんも木崎さんも平均的な出版社社員ではあったんだ。

かずさがウィーンから持ってきた『あるもの』って何だ??春希関連で手のひらサイズのものって何かあったっけ。
もしかして春希の制服のボタンか?!もうそれくらいしか思い浮かばない。しかし、5年前の「彼」のボタンをお守り代わりに持ち続けてるのだとすると、一途な印象がさらに二段階ほど強まる。

うっ、鈴木さんが上司として圧をかけ始めてきた。

おや?かずさのことを打ち明けたということは、これ雪菜ルートなのか?

最前列のど真ん中だったか…… 春希は曜子さんのコンサートにも行ってないから、めちゃくちゃ見つけやすい席が用意されている可能性に思い当たらない。

何回見ても、渾身のコンサートをすっぽかされたかずさが可哀想すぎるし、春希がかずさを責めるのは意味がわからん。 春希が最低な振る舞いをしていてもたいてい共感できるのだが、この件だけは春希を責めたい気持ちが上回る。かずさの懸ける想いの強さに気付いていたか否かに関係なく、シンプルに約束を破ってんだもの (追記:春希は守れるか分からない約束は交わさないタイプだと思う。そういう奴がかずさの「来てくれよ」に対して特に否定しなかったということは、少なくとも急な仕事のような言い訳が立たない限り行くつもりだったはずで、なのに直前で自分の感情を取り立てて逃げ出すのは流石にないぜ、の意)。
かずさの言う「嘘つき」は、2年前のクリスマスに雪菜にも言われたこと。これが春希の本質か。でも、詐欺師ではないんだよ。
かずさのお守りはやっぱりボタンでした…………

これは……つまりどっちだ?

6~coda後編~

まじか!旅館に行くのか! 正直なところ、一本道ならばこのルートが相応しいだろうと思っていた。

春希がかずさに揺れた時に、雪菜との2年間を疑うのは当然だよなあ。

炒飯が不味かったの伏線だったのかよ。 いや、ちょっとこれは想像以上の重症だな。何一つ料理ができなくなってる。味付けのミスくらいはまだ理解できるが、一度揚げたはずのトンカツが完全に生ってどういうことだ。
かずさも春希に突っ込んでいけないのがな〜。嫌味を言ったり反発したりはできるんだけど、自分の力を以て春希を正すようなことはできない。 そこは本当に経験不足というか、雪菜の方が上手である。

2人に責任を押し付けてるというのは珍しく正論。 春希の意思はないのかな。
自覚しながら壊れ始めたのは余計にしんどい。 春希が本気で自罰を始めるとやばいな。ブレーキが効かなくなる。
うわぁ、かずさまで冷静に考え始めちゃった。 原作プレイ中は、かずさに比べて雪菜の方が周りに恵まれていると思ったけど、厳密には3人の中でかずさだけが色々と欠けているんだ。

このルートは結末の印象が強くて途中の細部はあやふやになってるな。 でもここまでだったか?辛さの解像度も量も増してません?
このかずさの姿からはどちらかというと「不倶戴天」の雪菜を連想する。

こ、これは……春希の決意がそれほど堅固でない状態でお通夜ムードの飲み会をやるのか……!
かずさルートの選択肢と雪菜ルートの選択肢が織り交ぜられていたのは、アナザールートに進むためだったのかしら。
依緒の反応は変わらない……
改めて見ると、女に惑わされたことをなんで武也に責められないといけないんだ、という気になった。 武也の中ではどういう基準があるんだ?春希もしくは雪菜が純愛の理想だったのかな。

かずさも捨てるつもりで友人らまで切り捨てたのはなかなか思い切ったな。 マジで春希が死んでしまいそう。
自分をかわいがる性根だけがかろうじて春希を守ってくれている。 信じた道を肯定してくれる人が誰もいない。きっつい。

サンドイッチを作ろうとして何故パンを焦がす。

旅に出発する頃には春希の口調が戻った。 心の整理はついたのだろうか。ついたとしたらどんな風に? かずさも捨てるという発想は消えたの?
雪菜まで春希とかずさの失踪を知ってしまった!一体どうなるんだ。 えっ、事故…………?
5年前と同じ旅館ではないんだ。 「何もかもを捨てる予行演習」か。春希はそうやって整合性をとったのね。
いや、症状は全然消えてなかった。小康状態だっただけか。

春希の不用意な決めつけに反応するかずさ。ここからの一連が見れただけでもこのルートを読んで良かったと感じる。 今回に限ってはかずさが積極的に行動している。 愛すらもいらないと。
でも、「かずさ一人だけでも幸せになれるなら」を言い出したら振り出しに戻るんじゃないか? その「かずさ一人だけでも」と「雪菜一人だけでも」を選べないからこうなったわけで。
北へ行く。かずさは素直に喜ぶ。

セーーフ。事故は起きていなかった。奇跡的に朋が通りがかったおかげで。
春希がかずさと一緒にいるのは事実だけれど、この時点の朋の推理ほど春希はギルティではない。 「春希がかずさと一緒にいなくなった」というのは雪菜が小耳に挟んだだけの不確かな情報で、その情報元の曜子さんについても憶測の域を出ていない。飲み会でかずさとも離れると言ったのは実際そのつもりだったけれど、崩壊寸前のところを逆にかずさに拾われた。

かずさにとっても「理想の2人」じゃないと満足できなかったかー。 切り捨てたものはまだしも、人格については時間をかければ元に戻れると思うけどな。それじゃかずさは駄目なのかな。
このルートでもダメかぁ………… このかずさは別れる可能性を微塵も考えていなかったけど、露天風呂で唐突に理解してしまったのか。 本当にいきなり。
だめだ、辛い。耐えられない。このルートの後にかずさルートを見てバランスをとらないと。
あああああああ。5年前のフラッシュバックが辛い。

朋が過去一でヤバい。本当に刺されるんじゃないかと思った。

雪菜はどうしてそんなことを聞くの。 「かずさと結婚したいって思った?」なんて。何を思ってその問いかけが浮かんだの?
雪菜自身にも分からないのか。 自分もその機微だけが理解できない。 春希がかずさと結婚したいと思わなかった理由も、雪菜がそれを聞きたくなった理由も。
かずさには「五年間」が無かったから上手くいかなかった、という結論に行き着いて悲しい。

「届かない恋」を仕込むのはやりすぎだよぉ。 そんなものを聞いたら感情がどうにかなってしまう。

巻頭イラストの大集合も良い演出。かなりくる。
エピローグのおかげでほんの少しだけ気持ちが救われた。

「もう、ホワイトアルバムの季節じゃない」
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このエンディング後にこのノベライズは有情な措置。 最後にこの話、幸せなかずさの挿絵を見ることができてかろうじて助かりました。

おまけ

電子書籍サイトのあらすじに「今回の舞台は秋の林間学校! ――『キャンプファイヤーで結ばれた恋人たちは永遠に幸せになれる』 まことしやかに囁かれる恋の伝説。」とあるけど大嘘じゃん!! びっくりした。全く別作品の紹介文っぽい。いくらなんでも直した方がいいのでは。

WHITE ALBUM2」の大きな魅力である音楽が味わえない媒体だけれど、その代わりに小説の良さが出ていて、ここから入る人も羨ましいなぁと思った…… いや、序章だけならまだしも、結末までコンパクトに知ってしまうのはやっぱり勿体無いかな。 個人的には「NEXT」「coda」の衝撃を味わってほしいんだよな~。

武也はいいやつだけど、何を考えてるのかというか、どういうつもりでたくさんの女の子を引っ掛けてたのかが改めて分からなくなった。 「依緒の気を引きたい」と「曜日ごとの彼女を作る」の間にどんな関係があるのか。
つまり何が言いたいのかというと、武也と依緒のストーリーが見たい!!
(追記:……と思っていたのだけど、どんなエピソードが披露されようとも武也の行動は理解できない気がしてきた。 どんな事情があっても。心は一途でも。
他の人の感想で春希が叩かれ(ると同時に武也はいいやつ扱いされ)ているのを見て、反発心が湧いている。 21股を平気でやる武也が「いいやつ」で、二股心に苦しむ春希が最低なやつ? 春希にとって親友であることは間違いなくても、引いて見れば最低なのに。
同様に柳原朋も、雪菜に対しては「いい友人」となったけれど、他所では多くの人を足蹴にしているであろうことを忘れてはいけない。 )

ちょうど『WHITE ALBUM2 おつかれさま本』が再販されていたので全力で予約して買いました。 こういう類の本を見るのは初めて。絵が描ける人がたくさんいて凄い!羨ましい! 素敵なイラストが盛りだくさんでした。 丸戸さんの企画書紹介や下川さんのぶっちゃけたインタビューもとても興味深かったです。 ED曲で『時の魔法』だけ意味を取りづらかった理由が分かりました(笑)