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【ネタバレ注意】週刊少年ジャンプを中心に、ふれた作品の感想をたくわえるブログ。

この世の果てで恋を唄う少女YU-NO

2019年発売PS4/PSVita版:2017年、オリジナルPC版:1996年発売)
最近クリアしたゲームなので感想。
クリアまで30時間くらいかなーと思って始めたら、100%まで70時間以上かかりました(笑)

全体

オリジナルが出たのは96年らしいですが、描写に時代感はあれど物語自体はとても面白かったです。 現代編では事件の真相が各ルートにほどよく散らばっており、どのルートもワクワクしながら進められました。 そして、異世界編ではさらに壮大になって世界の真実が分かる、というもの。

クリアしてまず思ったのは、親父に会えないんかい! 形はどうあれ母親のケイティアとともに異世界で再会すると思ってました。

色んな部分で練られていると感じたが、感心したのはやっぱり「時間は可逆だが、歴史は不可逆」説。 時間を遡ったことも含めて歴史に記録される。 タイムパラドックスが起こることに対する回答として、今までで一番しっくりきた。 他にも、異世界において早熟不老の人を作る過程で生まれたのが、ボーダーにいた魔獣やクンクンの母親だったというのもなるほどと思った。

始まりの場所がゴールというネタバレを現代編プレイ中に見てしまったけど、書斎の鍵でそれは消化したと思ってたから、ユーノルートでは素直に驚けて良かった。 最期にユーノが木の名前を仄めかしたけど、自分で分からなくてネットで調べるか迷っている。 タイトルの「恋を唄う」も何を指しているんだろうか。

ファミコレ『ユーノの大冒険』もやっていこう。 各キャラを認識できるようになって、ユーノとクンクンが協力して敵に立ち向う絵が今なら分かる。

現代編

現代編のプレイは亜由美⇒澪⇒神奈⇒美月⇒香織の順で、必要なアイテムが手に入ったらクリア。 ルートを終えてもエンディングがあるわけでもなく強制的にスタート地点に戻されるというのは、無限に繰り返す気分になって不思議な感じでした。 最初にプレイしただけあって、亜由美さんのハッピーエンドかと思った愛欲エンドでスタート地点に戻されたときは呆然としました。 めでたし、めでたしでいいじゃん!とその時は思いました。

美月さんだけどちらのエンドでも報われなくて、さらに異世界編を終えても何の救済もなく、死ぬ運命だったと言われるだけでショック。 クリア後でもいいから美月ルート、香織ルート、異世界編でもただのハッピーエンドが見たかった。 あと、美月ルートで龍蔵寺に取られるのは流石に無理だった。 洗脳とはいえ。 神奈ルートの北条にも通ずるもやもやがある。

澪はツンデレっぽかったから澪ルートに入ったらすぐデレるのかなーと思っていたけど、 剣ノ岬の調査も挟まって、デレたのは極限状態になってからだった。 真ハッピーエンドもあったので満足。

豊富は最初から最後までいいところがなかったな。

異世界

異世界編は、そもそも異世界があるというところから驚き。 宝玉を10個集めて、あとは親父と金髪の女性の謎が分かれば満足だと思っていたから、そこからさらに話が広がるとは。

パッケージにも載っているので最初に出てきた金髪の女性がYU-NOで、何か鍵を握っているのだろうくらいの想像だったので、 たくたの娘として生まれてきたのは不意を突かれた。 ユーノは娘としての可愛さがすごく伝わってきた。 セーレスとの出会いから旅に出るまでの家族の時間がとても好き。 それもあって、セーレスの最期がクリア後まで尾を引いた。 どう頑張ってもすっきりしない。 そのときの神帝が亜由美さんともなればなおさら。 澪ルートで助けてくれたのがセーレスだと気付いたときにはとても切なかった。

亜由美さんが姿を現したときが異世界編で一番驚いた。 ただ、たくやが異世界に行けたのは分かったけど、龍蔵寺と亜由美さんがどうやって来たのかはイマイチ分からなかった。 亜由美さんが異世界に1年早く到着したというのも。 異世界編の後半は全体的にあまり理解できてないかもしれない。 龍蔵寺を乗っ取った奴がどのくらい肉体に縛られていたのか、とか。

異世界編では女性キャラが次々に出てきて、元々の18禁ゲームっぽさを感じた。 アマンダもその中の一キャラクターだと最初は思った。 アマンダが50年前に飛ばされたときにやっと気付いて、納得。 後で神奈との写真を見返すと、確かに腕輪をしている。 クンクンの最期が辛かったので、死に追いやるきっかけとなったアマンダを好きになれなかったが、終盤になって悪い奴ではないと分かった。 アマンダが現代でたくやと会えないのは、『STEINS;GATE』の鈴羽と同じ悲しみがある。