西尾維新、2023年、講談社
表紙の落ち着いた煌びやかさが好き。
新キャラたちの名前が良い。これぞまさに字面第一。
石川入り
金沢が「金の沢」で金箔の生産も密造から公認に変わったという話は面白い。
すごく自然に旅行ものになってますね。
お艶との電話になると急に話がくどくなるの笑う。
金箔知識がどんどん増える。金沢事情にも詳しくなっていく。
壁璧ちゃんがおもしれーキャラだ。「やつがれ」って一番かっこいい響きの一人称かもしれない。
ポワレちゃんがぬるっと出てきた。怪盗フラヌールの正体を知る人が普通にその辺を歩いてますが大丈夫ですか。
そしてこの子、か弱そうな見た目をしているが知性も腕力も備えていて、おまけに犯罪行為に躊躇がないわで野放しにするには危険すぎる。
インタビュー
上にも下にも媚びるためにカセットテープを使うのはなるほどと思った。
いやあ、出会った人物全員に対して変装を疑わなければいけないのはしんどいな。
ああw金持ちキャラだから語尾が「かね」だったのかw気付かなかった。
軍靴の持論が意外とまとも。怪盗業なんて赤字なんだから、家族を養うお金は普通に働いて得ていたという説。
一方、ルポライターがそんなに稼げるかよという反論も正しい。
「役作り」と称せばどんなキャラの心の内でも晒せるのは便利だな。
前巻に続いて、返却怪盗およびあるき野道足に対する批判がなされる。
マジか!今回はデスマーチとの対話がメインで殺人事件は起こらなそうだなーと少し安心していたのに。物語の本筋は裏で動いていた。「デスマーチ」はチーム名。ポワレちゃんは本当に野放しにしてはいけなかった。
高等教育も施されず、根拠不確かな「減感作療法」を受けさせられている。虐待と言って差し支えない。
怪傑レディはふらのなの!?てっきりポワレちゃんが名乗ることになるのかと。 ふらのに幼児退行以外の闇が見えるが………
怪盗フラヌールの正体を知る人がどんどん増えていく。正体バレも時間の問題だろう。 自殺防止用の部屋がマシュマロのように柔らかいと喩えられるとファンシーに感じちゃうな。
厄介な真相だ。祖父も父も孫娘も。祖父殺しの手段はギャグっぽい。
壁璧ちゃんは虐待されていても「何の恨みもない」と。彼女の意思というか人格は思いのほか強固だった。
初代フラヌールの真意と、初代邊邉斉齋斎の妻殺害動機については結局分からなかったな。
おまけ
あとがきが本人エピソードだとすれば、いったい今は一日に何万字書いてるんだ。やっぱり本人。
「返却怪盗シリーズ」でいいんですね。このシリーズは三部作なんだ。確かにタイトル的に収まりがいい。
阿良々木暦がそう呼ばれて久しいが、最近は西尾維新自身が”児童虐待の専門家”と化してないか。
改めてアニメ化してほしいと思った。道足と虎春花のやり取りは想像するだけで楽しい
三部作なら8話×3とかだろうか。1クール目の区切りをどうするか悩ましいが。4話×3の1クールに収めるのは厳しく見える。
今までのシリーズでも色々な”映像化不可能”があったけど、「ウルトラ」に関してはシンプルで捻りもないのに難しい。
虎春花本人が口にする分には画面に文字を出せばいいかもしれないが、他人が言及するときにその手は使えなさそう。
乳母コンプレックス描写はさすがに削られるかなー。