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【ネタバレ注意】週刊少年ジャンプを中心に、ふれた作品の感想をたくわえるブログ。

デリバリールーム

西尾維新、2020年、講談社
「デリバリールームは、妊婦のデスゲームが行われる会場を指すんだから」
分娩って英語だと"delivery"になるんですね。

目次と登場人物紹介を眺めただけでも、どういう発想してるんだと思う。 第一文からインパクトが強い。 「相沢すず」をググった。そういえばこの作者で中年男性の語りは珍しいかもしれない。 招待状は電子版だと挿絵扱いかな? 「鵜〼み」は誤植?? 宮子の由来よ。普通の名前じゃなかった。 いきなり脅迫。

「性別を前面に出して売り出されているアイドルが性をイメージさせてはならない矛盾」話は確かに。 文脈のせいで「産業」まで出産関連ワードに見えるのが面白い。 化かし合い系は心臓に悪い。 全員えぐいな、エピソードが。 ゲームは悪趣味。クイズは真っ当。 固有名詞が大量に出てくる。 「ある!」と威勢よく言う宮子が笑えてきた。

なるほど、個人情報保護法が成立する前に集めたデータを活用していたら、その法律成立後にスタートした企業とは一線を画することができる。 謎の企業と言うより巨大幽霊IT企業。 ところで「甘藍」ってキャベツなのかよ……! ただただ「観覧車」のダジャレでしかないと思ってた。 おー、デスゲームものから人工知能ものに様変わり。そしてまたゲームへ。 慈善事業じゃないどころか、妊婦支援は徹底的についでの仕事。
表紙はどろどろしていて何の絵なのかよく分かっていなかったけど、ここまで読んでやっと分娩台の宮子のように見えてきた。 箱入り娘というパズルは初めて聞いた。国語辞典にも載っているようなものなのね。しかも最短が八十一手って。第一印象の数倍は難しい。 男流作家は陣痛を書けない、というのは自己言及でしょうねえ。 「デス」はないがとことんゲームの趣味が悪い。 冒頭の一文は本当かもしれないと…… 令室は女性だったのか。 最後の最後までバース・プランの天丼は草。

宮子の言う惹句が不謹慎すぎて笑う。この本はまさにその通りなんだが。
著作100冊とかジャンプ連載とか、いったい誰のことでしょうか。 コミカライズはあり。産越のことがあるからアニメ化より良いかもしれない。 「悲鳴を〜」の部分は一瞬シリーズ名かと思って反応してしまった。 『母子不健康手帳』という名付けは『少女不十分』のあれを思い出すな。 今回、固有名詞を最新のものまでバリバリ出してきたのは、この最後のまとめ方につなげるためか。宮子とお父さんを現実に接続するため。