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【ネタバレ注意】週刊少年ジャンプを中心に、ふれた作品の感想をたくわえるブログ。

STEINS;GATE-シュタインズゲート- 円環連鎖のウロボロス

(原作)5pb.×ニトロプラス(著)海羽超史郎富士見書房
本編のノベライズ。しかし全く同じ世界線を辿るわけではない。 ゲームやアニメにふれてから時間が経ち、ほどよく細部を忘れてた。

1巻

2010年
途中まで、原作のストーリーそのまんまなのかと思っていた。 ルカ子の性別が変わらない。 秋葉原の街並みが変わらない、けどラジ館は消えた。 あー、端折ったところだからダイバージェンスの数値も誤魔化してあるんだ。

ところどころ文字を下詰にする演出が良い。違和感とか不気味さとか、回想とかテレビのニュースとか、逆に内心は落ち着いているときにも使われてる。 周りの人物が上段で普通に会話してる中で岡部の孤独さが際立つ。 王道の表現ではないだろうけど、もっと色んなところで見てもよさそうなくらい優れている気がする。 それ以外でも文字の配置に凝っていて、演出が巧すぎる。
萌郁のメールが会話の最中にバンバン届いてくるのも再現されてる。

『ROBOTICS;NOTES』を経由してから子供時代の綯を見るとなんだか新鮮。

電話レンジの説明変わった?少なくとも「秋葉原中の電子レンジがどうこう」という話には覚えがないなあ。

3人時代のラボももっと見てみたいな。あえて前半のタメを伸ばす感じで。 3人でのんびりする、後から思えば少し寂しいその時間に浸ってからラジ館で物語が始まるバージョンを、記憶を無くして見たい。

2巻

2011年
やっぱりまゆりに幸せになってほしいよ~。 紅莉栖は「相棒」とか「パートナー」という言葉が似合う。たとえ友達以上だとしても。

「失敗した」のくだりは何度見ても辛い。 ラボからSERNに直接回線がつながってるのはミスターブラウンの仕業なのかと思ってたけど、鈴羽の方っていう説かー、なるほどな。

フェイリスのところはDメール打消しの流れも変わってる。 単なる省略かと思っていたけど、一捻りしてむしろ話が複雑になってきた。 要するに、リーディング・シュタイナーは世界線の変動を認識できるけど、同時に複数回変動が起こった場合にそれらを区別することはできないということか? あっ、ルカ子のDメールは成功してたんだ!?

本格的に話が変わってまいりました。ダルが2018年から跳んできた。あの数値の妙な表記は、世界線が重なっているってことだったのか。 原作の話が別の世界線として語られる。世界層的な話もちょっとしている。 「まゆ氏にびっくりさせられる」とは?ダルに加えてまゆりまでとなると、さらに話がややこしくなりそう。
本当だ……「ポチっとニャ!」の後は、1回だけ「るかくん」呼びで他は「るかちゃん」だ…… ダルの言う通り、男のままだと思ってた。こんなに何度もまゆりが「るかちゃん」と呼んでいるのに。

ルカ子が男のまま進行。男の状態でも、問題が解決していない。
どういうことだ、まゆり。説明して。48時間しか戻れないのは開発者だけ。まゆりは具体的に何をしてたの? 「オカリンとクリスちゃんをくっつけようとしている」というのは、α世界線を許すということ? 綯もいる。怖っ、この世界線

ああ、ここの「まだ変わるな!」も辛いなあ。 元の世界線に戻る決心をしてエンターキーを押すその瞬間に、紅莉栖がラボに帰ってくる。 トゥルーの展開なぞ予想だにしない岡部としては、最期にもう一度言葉を交わすチャンスを逃す形になってしまった。 β世界線に戻った瞬間に後悔として残るやつだ。 おや?β世界線の数値も重なっている。

ん?一度しか戻ってこないということは、ムービーメールは無いのか?(あった) 岡部の推測ではあるけれど、ドクター中鉢の内心が説明されてる。中鉢も鳳凰院凶真と同じかー。 展開が少し違う。タイムトラベルとタイムリープではまるで別のような気もするけれど。
まゆりさん!?唇!? 世界線を変えたのはこういうことか。ありがとうございました。

まさかの結末。「主人公」だと思って読んでいた岡部が「主人公」ではなかったかのような。
手を尽くしたけど世界線の収束でうまくいかないことがあるのは分かる。けど今回は作戦成功していただろう? 記憶が上書きされる側の岡部の心情も確かに重要だけれど。 タイムリープっぽい着信の後にリーディング・シュタイナーの発動という部分は、ぼかされていた通りよく分からない。

やっぱりよくできてるなー。装置が3種類あることとか。 世界線を変動させうるDメール、記憶だけ過去に跳ぶタイムリープマシン、そして身体ごと過去に跳ぶタイムマシン(未完成品と完成品)。 しかも今回はNDメールとハイパータイムリープマシンまで増えた。
科学ADVシリーズの中でもシュタゲは特に、「もしかしたら、(そのままではなくても)本当にこんなことがあったのかもしれない」と期待できる余地があるのが良い。 世間を巻き込んだ出来事でもないし、「いろいろあったけど今の世界は再構成されたものでみんな忘れてるんだよ」と言われると否定はできないから。

もしシュタゲのリメイクや完全版を出すことがあるならば、メディアミックスで垣間見た様々な可能性をどうにかゲームに組み込んでくれないかな〜。 辻褄が合わない箇所については、最悪目をつぶる。オカリン以外の視点が増えて冗長になるかもしれないけれど、それも仕方ない。 MAGES.がシリーズの中でシュタゲばかり宣伝しているのにはモヤってるけど、そのくらい本気でやってくれたら喜んで応援する。 まとめて整理するだけでもコストがでかいかな〜〜。